世界一堅い食材の鰹節が持つ栄養素とは?
鰹節の歴史
飛鳥時代(701年)に日本初の法律である「大宝律令・賦役令」が制定され、「堅魚」(干しカツオ)、「煮堅魚」、「堅魚煎汁」、が献納品として指定されます。
この当時はまだ、現在の鰹節ではなく、干しカツオでした。
でも、カツオ(鰹)の語源は身が堅いという意味の堅魚(かたうお)から来ているんですね。
さて、室町時代になると、四条流庖丁書(1489年)という料理本に「花鰹」の文字があり、干しカツオではなく、さらに堅いカツオを削ったものが料理に使われていたことが分かっています。
江戸時代に入ると、堅魚は鰹節という形態に変化を遂げていきます。
角屋甚太郎という人が燻製(くんせい)することにより魚肉中の水分を減少させる方法(燻乾法:くんかんほう)を考え出しました。
鰹節の工程でいうと荒節の状態のものです。
※荒節とは、カビ付けする前の表面が黒く焦げたような状態のものをいいます。
その後、悪カビの発生を予防するために、荒節にカビ付けが行われるようになりました。
カビ付けと乾燥を少なくとも2回以上繰り返したものを枯節と言います。
表面上は、薄茶色の粉に覆われたような状態になります。
この製法が日本各地で取り入られるようになり、明治時代に入ると、土佐節・薩摩節・伊豆節が三大名産品と称されるようになりました。
現在では、枕崎市(鹿児島県)、指宿市(鹿児島県)、焼津市(静岡県)の3市で国産鰹節生産の約99%を賄っています。
三大名産の一つである土佐節は脱落ですね・・(高知といえばカツオですが、漁獲量は日本全国の8%ほどに過ぎません)
ところで現在の鰹節の消費量が日本一の県はどこかご存知でしょうか?
沖縄県です。
年間一人当たり50袋相当(一袋2.5g計算)を消費しています!
理由の一つには、琉球時代の宮廷料理は鰹節をたっぷり使用し、塩分を控えめにする薬膳料理だったそうです。
薬膳料理・・
そうすると、鰹節に含まれる栄養分が気になります。
発酵食品である鰹節の栄養素
タンパク質
鰹節はタンパク質がぎゅっと詰まった宝庫です。
どれくらい宝庫かというと・・
そうだがつお(生) 25.7g/100g
鰹節 77.1g/100g
出典:日本食品標準成分表
生の鰹に比べて約3倍のタンパク質が含まれていますね!
ただし、鰹節ですから、あの薄っぺらいものを何袋も食べるのでは割が合いませんので、料理に混ぜたり、トッピングしたりして使っていきましょう。
タンパク質は、三大栄養素の一つであり、エネルギーの源や体の組織を作る働きをしています。
たんぱく質が欠乏すると、成長障害・体力や免疫力の低下などが起こりますので、しっかりと摂取していきたいですね。
タンパク質の一日の摂取量は男性で60~65g、女性で50gを心掛けましょう。
出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)厚生労働省
カリウム
鰹節はむくみをとる働きがあるカリウムも豊富です。
カリウムの含有量は940㎎/100gです。(出典:日本食品標準成分表)
魚介類ではランキング2位です。
カリウムはナトリウムを身体の外に排出しやすくする作用があり、塩分の摂り過ぎによる高血圧の予防などに効果を期待できます。
鉄分
体の中に酸素を運搬する役目をしてくれます。
そのため、鉄分が不足すると貧血になる恐れがあります。
鰹節には鉄分が5.5㎎/100g含まれています。
魚介類でのランキングは7位タイです。
イノシン酸
三大うま味成分の一つです。
ちなみに三大うま味成分は、昆布のグルタミン酸、鰹節のイノシン酸、椎茸のグアニル酸です。
鰹節に含まれている、うま味成分であるイノシン酸の量は470~700㎎/100gです。
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塩分を取りすぎると生活習慣病になりやすいことは、事実です。
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