赤身の牛肉の脂肪はカラダに良いのか?栄養的におすすめのお肉は・・
日本での牛肉の歴史
まずは牛さんがいつから日本に居たのかというところから始めたいと思います。
そもそも牛は日本列島には居なかったようです。
中国大陸から持ち込まれたと考えられています。
輸入されてきたんですね。
古墳時代前期には牛の形をした埴輪が存在していることから、そのころから牛の飼育が始まっていたと思われます。
古墳時代後期(5世紀頃)には、南郷遺跡(奈良県)から牛骨が出土されています。
奈良時代(675年)になると、天武天皇が牛、馬、犬、猿、鶏の肉食を禁じる、「肉食禁止令」が発行されました。
ということは、裏を返せばその当時から牛肉をもう食していたということになりますね。
江戸時代になると、牛肉は「滋養強壮の薬」として食べられていたようです。
ただ牛肉が食べられていたのは「薬屋」で、まだまだ大っぴらに食べられる文化ではなく、隠れて食べていたそうです。
堂々と牛肉が食べられるようになったのは、皆さんご存知の通り、明治時代になってからです。
明治になると、福沢諭吉が牛肉を食べるよう奨励したり、明治天皇自ら牛肉を食べるようになったりして、牛肉の食文化が築かれていきました。
滋養強壮に食べていたり・・福沢諭吉が食べるように勧めたり・・明治天皇まで食べるようになった牛肉・・栄養素も気になるところです。
牛肉の栄養素
タンパク質
牛肉は高タンパク質食品です。
【和牛肉】
モモ肉(赤肉、生) 21.3g/100g
ヒレ肉(赤肉、生) 19.1g/100g
【輸入肉】
モモ肉(赤肉、生) 21.2g/100g
ヒレ肉(赤肉、生) 20.5g/100g
出典:日本食品標準成分表
モモ、ヒレの赤肉は高タンパク質になります。
また、肩肉の赤肉も高タンパク質です。
タンパク質を効率的に摂取するには赤身肉を選びたいですね。
タンパク質は、三大栄養素の一つであり、エネルギーの源や体の組織を作る働きをしています。
たんぱく質が欠乏すると、成長障害・体力や免疫力の低下などが起こりますので、しっかりと摂取していきたいですね。
タンパク質の一日の摂取量は男性で60~65g、女性で50gを心掛けましょう。
鉄分
体の中に酸素を運搬する役目をしてくれます。
そのため、鉄分が不足すると貧血になる恐れがあります。
牛肉には鉄分が割と多く含まれています。
和牛肉 もも(赤肉、生) 2.8㎎/100g
和牛肉 ランプ(赤肉、生) 2.9㎎/100g
和牛肉 ひれ(赤肉、生) 2.5mg/100g
第三胃(生) 6.8㎎/100g
出典:日本食品標準成分表
牛肉の部位の中で、最も鉄分が多く含まれているのは第三胃(センマイ)でした。
鉄分量は、肉類でのランキングで3位です!!
牛肉の鉄分はヘム鉄と呼ばれ、野菜などに含まれる非ヘム鉄に比べて吸収率が何倍を良いとか。
ちなみに鉄分が豊富と言われている「ほうれん草」の鉄分含有量は0.9~2.0㎎であることを考えると・・
貧血予防には牛肉などを積極的に取り入れたいですね。
亜鉛
牛肉は亜鉛の含有量も豊富です。
和牛肉 肩(赤肉、生) 5.7㎎/100g
和牛肉 もも(赤肉、生) 4.5㎎/100g
和牛肉 ランプ(赤肉、生) 4.9㎎/100g
出典:日本食品標準成分表
やはり、赤身肉のほうが亜鉛の量が多かったです。
亜鉛は、味覚を正常に保つ働きがあり、皮膚や粘膜の健康を維持させます。
しかし、牛肉というと脂肪が気になります。
果たして、牛肉の脂肪はカラダに良いのでしょうか??
牛肉の脂肪について
「霜降り」の牛肉なんて聞くと。脂肪分が多くてカラダに悪そうというイメージがありますが・・
確かに、脂肪が多い=カロリーが高い、となるので、過剰摂取は禁物です。
しかし、牛肉に含まれる脂肪についてじっくり考えてみたことはあるでしょうか?
まず、脂肪についてですが、その9割は脂肪酸という物質でできています。
脂肪酸を大きく分けると、二つに分けられます。
飽和脂肪酸については、LDL(悪玉)コレステロールを増やすことが分かっています。
また、心疾患のリスクが高くなります。
一方で、飽和脂肪酸が不足すると、脳出血のリスクが高まるそうです。
飽和脂肪酸を取らな過ぎも良くないんですね。
もう一つの脂肪酸である不飽和脂肪酸は以下の二つに分類できます。
一価不飽和脂肪酸はオリーブ油で有名なオレイン酸という脂肪酸です。
一価不飽和脂肪酸は血液中のLDL(悪玉)コレステロール値を減少させ、HDL(善玉)コレステロールを減少させない働きがあります。
また、動脈硬化などの循環器系疾患のリスクを減らす可能性があると言われています。
多価不飽和脂肪酸ですが、魚油に含まれるDHAやEPAが有名ですね。
多価不飽和脂肪酸は血栓を予防したり、血液の中の中性脂肪を低下させ、動脈硬化や高脂血症などを予防するといわれています。
また、多価不飽和脂肪酸も一価不飽和脂肪酸と同じくLDL(悪玉)コレステロールを下げる働きがありますが、逆に摂取し過ぎると、HDL(善玉)コレステロールも下げてしまう可能性があります。
何事もバランスを良く摂取するですね。
ところで、牛肉の脂肪酸割合がどんな感じなのでしょうか?
【和牛肉】
リブロース 脂身つき、生
19.81㎎/100g 29.80㎎/100g 1.39㎎/100g
ヒレ 赤肉、生
5.79㎎/100g 6.90㎎/100g 0.49㎎/100g
【輸入牛肉】
リブロース 脂身つき、生
7.15㎎/100g 6.00㎎/100g 0.49㎎/100g
ヒレ 赤肉、生
1.99㎎/100g 1.79㎎/100g 0.22㎎/100g
※左から、飽和、一価、多価の順
出典:日本食品標準成分表
興味深いのが、牛肉には飽和脂肪酸がもちろん含まれているのですが、一価不飽和脂肪酸も同等量含まれているんですね!!
しかも、「和牛肉」のほうが一価不飽和脂肪酸の量が「輸入牛肉」よりも多いです。
これは一価不飽和脂肪酸を効果的に摂取するには和牛肉がおすすめなのは明らかですね。
但し、カロリーも高くなりますから、くれぐれも食べ過ぎには注意しましょう。
ここで、おすすめしたい和牛肉があります。
おすすめの和牛肉
ご紹介するのは、
鹿児島黒毛和牛を扱っている1129LTD.nikulaboさんです。
なぜ、おすすめかというと・・
経産牛を主に扱っているからです。
経産牛??という方に、まずは経産牛とは何かを説明しますね。
簡単に言うと、出産を経験した牛さんのことです。
もう少し詳しく言うと、子を産み終わったメス牛に半年間ほどに渡ってタンパク質が多い、濃厚飼料を与え(再肥育と言うそうです)、肉牛として出荷された物を「経産牛」言います。
経産牛の特徴は,サシが入りにくい、肉食の色は濃い赤、味に深み、があります。
復習になりますが、赤身肉のほうが、タンパク質、鉄分、亜鉛が多く含まれています。
これらの栄養分を効率よく摂取するにも、経産牛はおすすめです。
もう一つ、鹿児島黒毛和牛を扱っている1129LTD.nikulaboさん をおすすめする理由は・・
和牛だからです。
これは不飽和脂肪酸の復習になりますが、「輸入牛肉」より「和牛肉」のほうが悪玉コレステロール値を下げる働きがある不飽和脂肪酸(特に一価不飽和脂肪酸)の含有量が高いというのはお分かりになったかと思います。
【和牛肉】
飽和 一価 多価
リブロース 脂身つき、生 19.81㎎/100g 29.80㎎/100g 1.39㎎/100g
【輸入牛肉】
飽和 一価 多価
リブロース 脂身つき、生 7.15㎎/100g 6.00㎎/100g 0.49㎎/100g
出典:日本食品標準成分表
リブロースの脂肪酸を和牛肉と輸入牛肉で再確認して見ると、なんと、和牛肉の一価不飽和脂肪酸量は輸入牛肉に比べて、約5倍も多いですね!!
しかも雌牛のほうが不飽和脂肪酸が多いということも分かっています。
だから雌和牛の肉は柔らかく、脂もとろけていくんですね。
「黒毛和牛生産量日本一」「全国和牛能力共進会日本一」の黒毛和牛王国鹿児島に生まれた1129 LTDで、
是非、経産雌和牛のとろける肉を味わってみてはいかがでしょうか?